8月16日、科学技術メディアscitechdailyの8月15日付博文によると、米航空宇宙局の科学者は宇宙岩石検査に応用でき、異なる成分を効率的に区別し、有機物を敏感に検出するO-PTIR光熱赤外分光技術の開発に成功した。
2024年、米航空宇宙局の「根性号」火星車が火星で「サファイア峡谷」という岩石サンプルを採取し、その独特の斑点状テクスチャが科学界の注目を集めた。この岩は赤い泥岩を地色とし、表面には薄い斑点と暗い輪郭が分布し、ヒョウ柄のような形をしている。科学者たちは、これらの斑点には火星の有機分子の重要な情報が含まれている可能性があるため、火星の古代生命と有機化学を研究する重要な対象となっていると考えている。
未来の火星探査機が岩石サンプルをよりよく分析し、古代生命の手がかりをより速く探し、火星の有機化学を探索するために、米航空宇宙局ジェット推進実験室とカリフォルニア工科大学の研究者がO-PTIR光熱赤外線スペクトル技術を開発した。この技術の有効性を検証するために、研究者は地球上の外観が「サファイア峡谷」に似ている玄武岩のサンプルを選んだ。研究者のNicholas Heinz氏はある徒歩の過程で、アリゾナ州セドナで偶然この斑点のある岩を発見し、実験室に持ち帰って研究を行った。
O−PTIR技術は2本のレーザ光の相乗作用により材料の分析を実現する:第1のレーザ光は材料表面を加熱し、光波長に関連する微弱な熱振動を励起する、第2のレーザーはこれらの振動変化を測定し、材料の独特な化学指紋を得る。研究により、O-PTIRは極めて高い空間分解能で岩石の本体と暗色被覆体を区別でき、わずか数分で完全なスペクトルを収集でき、分析効率と感度を大幅に向上させることが分かった。
現在、O-PTIR技術は2024年の欧州高速船(Europa Clipper)などの任務の清浄度測定に応用されているだけでなく、地質と火星サンプルの分析にもより多くの潜在力を示している。研究チームはNASA火星科学チームと協力し、火星環境を模擬した藻類微化石の検出に応用し、将来の火星サンプル返還後に生命の兆候を探すための方法の基礎を築いている。